関節拘縮とは?

関節を動かす機会が減ることで、関節自体が硬くなり固まってしまいます。さらに筋肉や靭帯、関節包といった組織も硬くなり、運動が制限されることを言います。
拘縮が生じると、これまで行えていた動作(寝る、起きる、立つ、歩く、髪の毛を洗う、着替え動作など)がしにくくなってしまいます。
脳梗塞・脳出血の後遺症、骨折や怪我による活動量の低下、変形性関節症によって関節が硬くなり、動作に制限が生じやすくなります。
関節可動域練習を行うことで、拘縮の改善や廃用(活動量が減ることによる体力低下、筋肉が瘦せてしまう)予防を目指します。  

関節可動域練習


関節を曲げ伸ばし、回す、上げ下げなど行い、関節を柔らかくし動く範囲を広げます。
この関節が動く範囲のことを関節可動域と言います。
固まってしまった関節を、無理に伸ばそうとするとかえって関節を痛めてしまいます。
痛みのない範囲で、ゆっくり動かすことで、関節の動く範囲を広げていきます。スムーズに動かすためにも、関節可動域練習は大切です。
またご自身で行える簡単な体操もご提案させていただきます。

事例1 ~洗濯物を干すのが大変!!~


肩が上がりにくくなり、洗濯物を干すのが大変。高い所の物を取る事が出来ない
 ▼
肩関節の動く範囲が狭くなっている
 ▼
肩の上げ下げや、回しながら関節を動かす
 ▼
肩周りの筋肉や組織が活性化され、肩関節の動く範囲が広がる
 ▼
洗濯物干しが楽に行える。高い所から物が取れるようになる

事例2 ~歩くのが怖い‥。~


転んでから足が上手く動かせず、歩くことが怖くなった。夜も眠れない日が増えた。
 ▼
日常的な活動量の低下
 ▼
腕や足の曲げ伸ばしを行う
 ▼
関節が動かしやすくなったことで、スムーズに足が動くようになった
 ▼
活動量も増え、血液の循環が良くなり、夜眠れるようになった

事例3 ~オムツ交換のポイント!!~


寝たきりの母。介護しているが、関節が固く、着替えやオムツ交換する時に時間がかかる。
介護している自分自身も腰痛に悩まされている
 ▼
肘関節、股関節、膝関節などの拘縮により動きが制限される
 ▼
関節可動域練習を行う
 ▼
関節が動かしやすくなり、介護がしやすくなる
 ▼
介護負担が軽減