職員103人に聞きました!訪問看護のホンネ

訪問看護を目指した理由、やりがい、仕事の苦労など訪問看護師、セラピストのホンネを公開!
ナースステーション東京を運営する株式会社日本在宅ケア教育研究所の代表、内田さんがスタッフのホンネをどこまで感じとれているのか?
インタビューを交え、アンケートの結果を紹介します。

株式会社日本在宅ケア教育研究所
代表取締役 内田 英邦

今回、全職員を対象にしたアンケートはこちら

Q

訪問看護・リハビリを目指した理由は?

内田 スタッフからよく聞くのは「利用者様に寄り添った看護をしたいと思った」という声ですね。病院勤務では患者さんの数も多いのでじっくり向き合うのは難しい環境です。
「退院後の様子が気になった」とか「安心して自宅で過ごせるサポートをしたい」という人も多いです。

※実際の声抜粋

「利用者様としっかり向き合える看護をしたかったから」
「病院での勤務の中、窮屈感を感じていた。家での生活が利用者様にとって1番の場所であり、家で生活している人を支えていきたいと思った」
「退院後の利用者様の生活に関わりたかったから」
「前職での経験から、看護師と協働できる環境に興味を持った。在宅でのリハビリに興味があった」
「実際に生活している環境で、ご自宅にあるものを利用してリハビリを行うことに、魅力を感じたから」
「キャリアの最終目標として訪問看護を考えていたから」
Q

ナースステーション東京に入社を決めた理由は?

内田 「教育制度が充実している」ではないでしょうか。面接でもOJTやスキルアップの講習会説明をしているので。あとは「スタッフの人柄」かな?ざっくばらんで、
明るい性格の人が多いからなんでも言い合える職場だと感じていますが、働くみなさんはどう感じてるのか気になりますね…

―――1位は「通勤のしやすさ」でした。

内田 入社時の希望を聞きて、なるべく近くのステーションに配属するようにしています。子育て中の人も多いので保育園の送り迎えなどもありますしね。ただ、その時々の事情で近隣の配属になることもあります。例えば自宅からは池袋が一番近いけど新宿のスタッフが不足しているのでそちらでお願いできないかと。そのあたりは相談ですけど。年に1回、職員全員に勤務地や勤務時間などについての希望を聞いているので、できるだけ希望に沿った配属にしたいとは思っています。

―――2位は「教育制度の充実」3位はスタッフの人柄、4位は待遇、となっています。

内田 教育制度はナースステーション東京が力を入れていることの一つです。23年間の訪問看護のノウハウを生かして研修のプログラムも何度も改定しています。訪問看護は基本的に一人で看護するので、新人さんは不安も大きいと思います。入社時研修のあとも最初の一ヵ月~三ヵ月は先輩も同行するので、この期間で訪問看護の基礎を身に着けることができると思います。

Q

やめたいと思ったことがあるか?

内田 これは、100%じゃないですかね。誰でも一度は考えると思います。

やめたいと思った理由ついてはこんな声が

「病院勤務とは違い移動が多いので、雨や暑さなど天候の影響を受けるのが辛い」
「体力的な部分や人間関係など」
「ほかの職員との違いを感じ、それがストレスになり仕事のモチベーションが保てなくなったことがある」
「パワハラ的なことを言う利用者様がいて、辞めたいと考えたが、会社が守ってくれたので大丈夫だった」

内田 ほぼ半々なんですね。少し意外でした。きつい仕事だし利用者様と距離が近くなる分、精神的な負担もあるので。思っていたのと違うと感じる人は1年程度で辞めていくケースが多いですね。逆に言えば1年続けられたら長く勤務できると思います。

「訪問看護・リハビリ にどのようなイメージを持っていたか」「働いてみてそのイメージは変わったか」という質問では、変わらない46.3%、変わった26.7% どちらともえないが26.3%と 想像していた内容と大きく違いがない人が多いという結果に。訪門看護への認識が広まり情報収集もできるようになっているので、事前に仕事の内容をある程度把握できるようになったことも関係しているかもしれません。

現場を知るためスタッフと一緒に
利用者の方のお宅に行くことも

Q

訪問看護の魅力は?

内田 「一人ひとりに寄り添ったケアができる」かな。

――8割の人が「一人ひとりに寄り添ったケア」でした。2位以下は「ワークライフバランスがとれる」「休みがとりやすい」など働きやすさを挙げる人も多く見られました。

内田 病院勤務は一定数夜勤等があるので、結婚、出産を考える人や自分のペースで働きたいという理由で転職してくる人は多いですね。基本的には9時から18時、月~金の勤務で1日5軒程度訪問しています。育児・時短勤務の人は16時退勤などもありますね。

Q

訪問看護・リハビリの勤務で大変なことは?

内田 「自分で判断することが多い」ではないでしょうか。病院勤務と違って一人で利用者様のお宅に行くので初めて直面することも多いと思います。

内田 うちの会社はチーム制をとっているので1人の利用者様を3人くらいで看護しています。チーム制しているのはいろいろな病歴やケースを経験できるというメリットと精神的な負担を軽減する目的があります。完全担当制の1対1の看護は親密になれるという良さはありますが、距離が近くなりすぎて辛くなることもあります。チーム制ならそうした悩みを共有できますし、看護の方法についても意見を出し合うことでより良い方法が見つかることもあります。

Q

仕事の悩みは誰に相談していますか?

内田 職場の人ですかね。朝の朝礼やランチのために事務所に帰ってくる人も多いからそこで会話がしている印象があります。

――1位は「会社の同僚や所長」2位は「自分で解決する」でした

内田 人に相談しても・・という人もいるのかな。ただ、一人で抱え込まないように話やすい環境を作るように心がけています。訪問看護は直行直帰スタイルの勤務も可能なのですが、顔を合わせて話すということを大切しています。朝礼や帰ってきて申し送りをする時間を作っているのも誰かと話すことで息抜きになったり、問題の解決につながることもあると思っているからです。申し送りのカルテに書くほどではないけど「ちょっと声のトーンが低かったんだよね」「旦那さんと喧嘩しちゃったかな」とか、些細な変化をくみ取ることがスムーズな看護につながるんですよね。

Q

記憶に残っている訪問看護・リハビリのエピソードを教えてください。

※声抜粋

「看護師としての私だけではなく、人間としての私のことを聞いてくださったり、お話を聞いたりすることが多いため、いろいろ勉強になります」
「ずっと通っていて亡くなられた方のご家族から後日お礼の言葉を事務所宛にいただいたこと。 利用者様から信頼されていると感じたとき」
「来年の話」をしたことを「来年を約束されている気がして嬉しかった」と言われたこと
「足の爪が肥厚して痛くて靴が履けず冬でもサンダルを履いていた利用者様に、他のケアを早めに終え足爪のケアに力を入れたら靴を履けるようになり「寒くない・痛くない、ありがとう」と喜んでもらえ、歩行が安全にもなった」
「リハビリで屋外歩行訓練をしていた利用者様が、リハビリ以外でも外出するようになり、自転車での移動中にばったり会て「頑張ってますね!」と声をかけたら「うん!頑張ってるよ!」 と答えてくれて。じーんときました」

スタッフの要望や意見を聞き入れて、
働き方も改善してきたいという内田さん

Q

訪問看護・リハビリを目指す人、ナースステーション東京に入社を検討している人にメッセージをお願いします。

「大変なことも多いですが、その分訪問看護でしか感じられないやりがいもあります。その人その人の個別性の看護に興味がある人は適正があると思います。子育てとの両立にとても理解ある会社で、働き方も相談できます」
「子供から高齢者まで幅広い訪問が出来るので楽しいです。初めは緊張するかもしれませんが、本人が納得できるまで同行するので安心してください」
「ゆっくり利用者様と関わりたい!ライフワークバランスを保ちながら働きたい!そんな方にはオススメです。子育てしながらも仕事を続けやすい職場です」
「入院中や外来では見られない≪本当のその人らしさ≫を見つけ、時には≪わがままなその人らしさ≫に悩みながらも一緒に地域で生きていく、じわっと幸せな仕事です」
「病院や施設とは違う大変さがあると思うので向き不向きはあると思うが、やってみないと分からないと思うので挑戦してみると良いと思う」
「実際に働くと病院とのギャップで辞めていく方もいるので、しっかり見学同行等を通してこの道に進むか検討して欲しいです」
「訪問看護では1人で訪問し判断を求められる事も多いと感じています。その反面自身のスキルアップや経験値を積むことはいくらでも可能です。ご自宅に伺うのでアウェー感もありますが感謝されることも多くあります。利用者様はみんな人生の先輩であり色々な経験を語ってくださいます。それも訪問の仕事での魅力だと思っています。」

内田 アンケートの結果は、みんな本音で答えてくれているなという印象です。訪問看護・リハビリ職を考えている人にとっても参考になると思います。大変なこともありますがやりがいのある仕事です。ご希望など、ぜひ一度お話きかせてください。

今回のアンケート結果、全データはこちらから。生の声を確認してみてください。