呼吸リハビリテーション

呼吸リハビリテーションとは..

病気や怪我によって呼吸器に障害が生じた方に対して、機能を維持・回復させることにより、症状を改善させ、自立した日常や社会生活を送れるように継続的に支援すること、とされています。
呼吸ケア・リハビリテーション学会「一般社団法人 呼吸ケア・リハビリテーション学会とは」参照2023-1-7
 
「退院しても息苦しさがあって生活動作がやりづらいな‥」
「苦しさがあるせいで外出することが減って体力が落ちてしまった‥」
「趣味や仕事を再開したいが、息苦しさが気になり諦めてしまう‥」

体調が落ち着いて退院しても、上記のように自宅に戻ってから思うように動けないと感じる方がいらっしゃいます。
また、息切れによって動けない生活が続くと下の図のような悪循環が生まれて、どんどん動きにくくなることがあります。

・息切れ/だるさ
・運動量の減少/抑うつ的になる
・筋力や体力の低下/食欲不振、栄養不足

そのような時に、私たち訪問リハビリのスタッフと病状や身体の機能を評価しながらリハビリテーションをして、自分らしい日常生活を取り戻すことを目指します。

呼吸リハビリテーションの内容

呼吸リハビリテーションの内容は、対象となる方の病状や生活背景によって必要なことが様々なため、リハビリスタッフが状態をしっかり評価して、効果的と判断したリハビリテーションを取捨選択しながら実施します。

コンディショニング
呼吸法(口すぼめ呼吸)(腹式呼吸:息を吸った時に腹部を膨らませます。息を吐く時にお腹をへこませます。腹部を膨らませることで、横隔膜が下がり、肺が膨らみやすくなります。)


リラクゼーション(首まわりのマッサージ、ストレッチ、楽な姿勢をとる、呼吸介助)


四肢・体幹の筋肉や関節の柔軟性向上トレーニング(関節可動域運動、ストレッチ、呼吸体操)
痰の除去(体位排痰法、スクイージング)


運動療法
四肢・体幹の筋力トレーニング
全身持久力トレーニング
呼吸筋トレーニング

日常生活動作トレーニング
起き上がり、立ち上がり、更衣動作、トイレ動作、入浴動作、歩行、階段昇降などの動作時に息遣いを合わせたり、動く順番を工夫したりすると、楽に行なえることがあります。

セルフマネジメントの方法指導
自身で病状の特性が分かり、苦しくなった時のコントロール方法を体得するなど、自分自身で体調管理ができるようにアドバイスしていきます。
食事療法の取り入れ方や、在宅酸素療法の機器の扱い方なども説明していきます。

環境調整
家具の配置を変えたり福祉用具を利用するなどして、動きやすく介助しやすい環境を整えます。
また、ご本人を取り巻く関係者(ご家族、主治医、ケアマネジャー、支援相談員 etc.)と連携することで、健康管理や支援状況が良好に保てるように情報共有していきます。